リース被害


■ 電話機リース被害

 

1. どのような問題か
数年前より、主に中小・零細事業者を対象として、訪問販売業者が「電話回線のデジタル化により、今使用している電話機は使えなくなります。」とか「当社の電話機に交換すると電話料金が安くなります。」などとうその勧誘をし、被害者の業務に全く必要のない多機能の電話機(ビジネスホン)を、しかも市場販売価格より著しく高額な価格でリースをさせるという被害が多発しています。
これが「電話機リース」と呼ばれる問題ですが、勧誘されるリース物件は電話機に限らず、パソコンやコピー機などのOA機器等を中心に、いろいろな物に広がっています。
このような被害は、勧誘を行った悪徳業者が営業を継続している場合には、当該業者に対して損害賠償請求をすることにより解決できることもあります。しかし、当該業者の倒産によりそのような責任追及ができないことも多く、そのような場合には解決が容易でないこともあります。
というのも、リース契約の当事者であるリース会社は、悪徳訪問販売業者と業務提携関係があるにもかかわらず、自社には何ら責任はないと主張して、リース契約の解約に応じず、あくまでも被害者に高額なリース料を請求してくることがあるからです。

 

2. 解決方法
しかし、この悪徳商法は、訪問販売の形体をとっているため、特定商取引法のクーリング・オフによって解除できる場合があり、当弁護団でも、クーリング・オフによる被害者側勝訴の判決を複数勝ち取っています。
クーリング・オフができるかどうかは、特定商取引法が本来消費者保護のための法律であるため、そのリース契約が「営業のために若しくは営業として締結するもの」(同法26条1項1号)という「適用除外」に当たらないかが問題となりますが、裁判例は、①事業規模(事業収入、従業員数、店舗面積等)、②リース物件の使用状況(設置場所はどこか、自宅兼店舗か否か等)、③リース物件の性質・機能と当該事業との関連性・必要性(当該リース物件導入前はどのような機器を使用していたか等)などを具体的・実質的に考慮して判断しています。
その結果、契約名義は事業者名(個人事業主の屋号、株式会社、宗教法人等)であっても、実質的には消費者であるとして、クーリング・オフを認める裁判例が多数あります。
また、仮にクーリング・オフが認められない場合でも、リース会社が悪徳業者の営業によって利益を上げている関係にある以上、当弁護団では、リース会社が被害者にリース料の請求をすることは信義に反して許されないと考えています。

 

■ ホームページリース被害

(平成22年11月8日掲載)

 

【被害の実態と解決方法】
電話機リース問題の発展型として、近時、インターネット上のホームページの作成を勧誘し、その作成費についてリース契約を締結させるという被害が急増しています。
問題は電話機リースと基本的に同様ですが、さらにホームページリースにおいては、①そもそも物の賃貸であるはずのリース契約を、ホームページ作成という役務(サービス)提供のために利用することができるのか、②ホームページ作成には、サーバー管理や内容更新等の継続的なサービス提供業務も含まれており、本来中途解約をすればその後の費用は支払不要となるはずであるのに、リース契約とされているがために中途解約ができないのか、などの問題点があります。特に、ホームページが未完成のまま業者が倒産してしまうケースもあり、そのような場合にも、リース会社からリース料の全額を請求されることがあるため、大きな問題となっています。
当弁護団では、ホームページの作成・管理に未完成ないし不備がある場合などには、その対価であるリース料の支払いを拒絶できるべきであると考えています。

 

【株式会社イーシーエムによる被害について】
ホームページリース業者であった株式会社イーシーエム(以下「ECM」といいます。)が、先ごろ、多くの顧客のホームページを未完成のままにして、倒産しました。

ECMの破産(大阪地方裁判所平成22年(フ)第4217号破産申立事件 破産決定平成22年6月30日)に伴い、当弁護団にも多くのお問い合わせが寄せられております。現時点(平成22年11月8日)で分かっていることをお知らせ致します。

(1)ECMの破産により、リース契約・クレジット契約が自然になくなるわけではありません。
黙って勝手にリース料・クレジット代金のお支払いを止めますと、信用情報に登録され、今後、クレジットカードでお買い物ができなくなったり、融資が受けられなくなったりしますからお気をつけ下さい。
また、お支払いを止めると、リース会社・クレジット会社からリース料・クレジット代金請求の訴訟を起こされる可能性も高いです。すでに訴訟になっている方もいます。

(2)リース契約・クレジット契約は、レンタルとは違って、原則として途中解約が認められないものです。それはECMが破産したとしても変わりません。

(3)ホームページの作成が途中の方々については、(株)オフィス24が無償で作成・完成するという取り決めになっております。ECMの破産直前、同社から、「業務移管に関するご案内」という文書が届いて、(株)オフィス24に業務を移管すると知らせてきていると思います。
現在、(株)オフィス24が、ホームページを完成させる作業を進めているようですが、数が多いため、ほとんどを終わらせるにはもうしばらく時間がかかるようです。完成に必要なデータは、(株)オフィス24がECMから引き継いで持っているようです。
(株)オフィス24に引き継ぎを依頼するか否かは、メリット・デメリットを十分に比較してご判断頂きたいと思います。

(4) ECMでは、サーバーレンタル・Web制作をしていましたが、サーバーレンタルに伴いユーザーの希望するドメイン名(xxxx.comとかxxxx.co.jp)を管理していました。
ドメイン名は一度取得すれば永久に利用できるものではなく有効期限があります。そこでドメイン名を使用し続けるためには原則として有効期限満了前に更新が必要になります。更新時にはドメイン名の登録機関(レジストリ)に対して支払う年間維持費が必要であり、放置しておくと期限切れとなり使用できなくなります(自動車免許の更新と同じようなものです。)。
通常はそのドメインを管理してくれているレンタルサーバー会社やドメイン取得会社からドメイン更新の通知が来ます。
ECMではユーザーが利用していたドメイン名についてはドメイン更新費用も自社で負担して無償で管理していたようです。ECMからその業務を引き継いだというオフィス24は、ECMが管理していたドメイン名も同様に引き継いで無償で管理をしていましたが、オフィス24は本年末をもって無償での管理をやめると言っています。
そのため、ECMとの契約時にECMにドメイン取得や管理を依頼していた契約者は、今後もそのドメイン名を使用したい場合、オフィス24が管理しているというドメイン名の移管を受けるか、オフィス24に今後ドメインの管理費用(更新費用)を支払うなどして、管理してもらう必要があります。
オフィス24は、今後ドメインの管理費用とサーバーのレンタル料とは別のものという扱いにするようです。ドメイン管理については対象者にはオフィス24から個別に通知がなされているようですので、その通知を確認して間違いないように対応しないとドメイン名を失う可能性があります。

(5)その他、不満、不安等おありになるかと思いますが、詳細は弁護団にお問い合わせ下さい。

 


2014/04/15更新