ご挨拶


当弁護団は、過剰な与信による消費者被害を立法による抜本的な解決を目指して、2005(平成17)年に東京の有志弁護士によって発足しました。

 

次々販売やモニター商法、悪質リース被害、その他の多くの悪質商法は、消費者を勧誘する業者のみで引き起こすことはできません。クレジット会社やリース会社が加担することで、初めて可能となるのです。

 

消費者と事業者とは、決して対等な関係にありません。その有する情報の量や質、分析力や判断力、交渉力など全てにおいて、圧倒的に事業者が優位にあります。
消費者がいくら被害に遭わないように注意をしても、事業者には、敵いません。事業者は、消費者の情報や理解力、判断力の不足、弱みや不安などにつけ込み、消費者にとって不要・不急・過大な取引を勧誘し、その取引を成立させるために、与信業者を利用するのです。
与信業者は、販売業者等の「営業活動」によって与信先を獲得し、利益を得ているので、販売業者等の悪質さについては、どうしても、大目に見ることになります。
このように、クレジットやリースを伴う消費者被害は、消費者を取引に引き込んだ販売業者等の悪質性と、利益の追及のために、悪質な販売行為を見て見ぬふりをする与信業者とが一体となった加害行為として捉えなければ、真実を見誤ってしまいます。

 

平成20年6月の割賦販売法の改正では、このような事実を正面から捉え、特定の商取引においてではありますが、与信の対象となる販売行為に不実告知等の一定の不正な行為がある場合には、販売契約と合わせて与信契約自体も取消しの対象としました。
この法改正は、私たちが長年求めてきたことが、実を結んだものです。

 

これまで、当弁護団では、呉服等の展示会販売における過量販売・過剰与信のほか、いわゆる悪質電話機リース等被害の救済にも実績を上げてきました。リースは「ファイナンスリース」と呼ばれるとおり、与信そのものです。
悪質電話機等リース被害では、零細事業者が狙われました。被害に遭っている事業者は、確かに事業者の側面もありますが、悪質事業者との関係で見れば、消費者と何ら変わるところはありません。リース会社との関係では、情報力や交渉力、経済力の非対称性は明白です。
この点も、従前から主張していたところですが、経産省の平成17年12月通達も出され、裁判所も、形式ではなく、実態を見て判断するようになりつつあります。
法律は、形式的に適用すればよいものではありません。法律の適用の結果が正義に適わないのであれば、その事案にその法律を適用することが誤っているのか、法律の解釈が誤っているのです。
何が正義かは多義的ですが、当弁護団は、常に、社会的・経済的な弱者の側に立って正義を考えます。弱者が泣き寝入りしないことが正義と考えています。
今後とも、この正義を実現すべく、クレジット契約やリース契約を伴う被害の救済と撲滅の活動を続けていきます。

 

皆様からの叱咤激励、ご指導ご鞭撻を頂けば幸いです。

 平成22年8月17日

団長 弁護士 瀬戸和宏


2014/04/15更新