株式会社コンステレーションによる訴訟の和解成立のご報告

最近、サクラサイト被害などで、消費生活センターに相談しところ、消費生活センターのあっせん等で、クレジット利用分がチャージバックやキャンセル処理より取り消された後に、サイト運営業者が、被害者に対し、直接クレジット利用分とチャージバック費用の支払いを求める訴訟を提起する事件が全国で発生しています。
今般、サクラサイト被害での上記案件について、サイト業者の請求を取り下げさせ、クレジット以外での利用分の返金を受ける和解が成立したので、報告します。なお、この事件では、消費生活センター等に相談する前に、サイト業者と被害者との間で、サイト業者が被害者に対し、極めて低額な支払いをすることで、被害者はクレジットの取り消しをしないという合意書が取り交わされていました。

 

1 事件の概要
サクラサイト被害に遭ったAさんが、事前に僅かな金額での和解書を取り交わされ、その後、消費生活センターの交渉でクレジット利用分がチャージバックされて解決したと思っていところ、サイト業者である株式会社コンステレーション社(以下「コンステ社」といいます。)がAさんに対しクレジット利用分とチャージバック費用を請求する訴訟を提起してきた事件です。
コンステ社は、全国各地で同種の裁判を起こしていました。
弁護団が代理人となり、他の被害者と共同で、損害が填補されていない電子マネーの利用分や弁護士費用等の支払いを求めて別訴を提起して、コンステ社が既に提起していた訴訟と併合審理されました。
裁判の中で、コンステ社は、Aさんだけでなく、利用額が多くなったユーザーとの間で、ごく少額を返金する代わりに、今後は何ら異議申立をしないという合意書を取り交わしている事実が判明しました。これは、サクラサイト被害に遭ったことを後から認識したユーザーから返金請求をされないための予防策のように思われました。しかし、実際にAさんが合意書を取り交わした経緯等には不自然な点が多く、この合意書は無効であることを弁護団は主張しました。
その結果、コンステ社が請求を取り下げ、さらに電子マネーの利用分を返金するとともに、今後、同じような請求を二度としないことを誓約する内容の和解が成立し、事件は終結しました。また、Aさんが、クレジット以外の方法で支払った金額の全額の返金を受けました。

 

2 注意喚起
コンステ社のケースのように消費生活センター等に相談する前にサイト業者との間で和解書などを作成してしまっていても、和解の効力に問題がある可能性があることから、諦めずに消費生活センターや弁護団などに相談することが肝要です。消費生活センターや弁護団などは、全国的に被害情報等の共有を図り、解決方法を検討し連携して対応することが重要と考えられます。
また、クレジットカードがキャンセル処理されたとしても、サイト運営業者との間では完全に解決したといえるとは限らないことから、サクラサイト被害に遭った場合、受信したメールなどの証拠は、消さない、消えないようにして保存をしておくことも重要といえます。

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